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第9話 ココでは価値が人を喰う

last update تاريخ النشر: 2026-07-02 18:29:42

 ミスラントを後にしてから数日。

 俺たちは、ヴェルカに半ば連れ回される形で街道を進んでいた。

 相変わらずヴェルカは酒をあおり、ミリスは道中で摘んだ花を愛おしそうに眺めている。

 かくいう俺は、木箱の中のガラクタを眺めていた。

 商会を出たというのに。やることは昔と大して変わらない。

 これが職業病、というものだろうか。嫌な癖だとつくづく思う。

 錆びた歯車。

 欠けたランタン。

 用途不明の金具。

 どれも数十G程度の安物だ。

 けれど、ヴェルカは平然と買い集めていく。

「これ、買い集めるほど価値あるのか?」

 何気なく尋ねると、御者台のヴェルカが不敵に笑った。

「ある時はある。ない時はない」

「また適当な……」

「価値なんてそんなモンさ」

 風に赤髪を揺らしながら、ヴェルカは前方へ視線を向ける。

「ま、次の街に着けば嫌でも分かるさ」

「次の街?」

「王都ミナスガルドだ」

 その名前を聞いた瞬間、ミリスが小さく顔を上げた。

 俺も思わず目を瞬く。

 ――ミナスガルド。

 大陸最大級の交易都市。

 商会にいた頃、壁に貼られた交易地図で何度も見た名前だ。

 けれどまさか、自分
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